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アルコールと筋分解の関係性:科学的根拠に基づく影響と対策

更新日:2月25日

こんにちは!

Home Fit 新座の大木です。

今回はアルコールと筋分解の関係性:科学的根拠に基づく影響と対策について解説します!


ぜひ参考にしてください!



1. はじめに

筋トレをする人にとって、**「アルコールは筋肉の成長に悪影響を及ぼすのか?」**という疑問は非常に重要である。トレーニング後に「ビールが飲みたい」と思うこともあるが、果たしてその影響はどれほどなのか?

本記事では、アルコールが筋分解に与える影響を、最新の論文をもとに詳しく解説する。また、アルコールを飲んでも筋肉を守るための対策についても紹介する。


アルコールを飲んで楽しむ人



2. アルコールが筋分解を引き起こすメカニズム


2.1 筋肉の成長と分解のメカニズム

筋肉の増減は、**「筋タンパク質合成(MPS: Muscle Protein Synthesis)」「筋タンパク質分解(MPB: Muscle Protein Breakdown)」**のバランスによって決まる(Phillips et al., 2016)。

  • MPS(合成)> MPB(分解) → 筋肉が増える

  • MPB(分解)> MPS(合成) → 筋肉が減る

トレーニング後に適切な栄養(特にタンパク質)を摂取すると、MPSが促進され、筋肥大が起こる。一方で、アルコールの摂取はMPSを抑制し、MPBを促進するため、筋肉の維持・成長に悪影響を与える(Steiner et al., 2022)。


2.2 アルコールが筋分解を促進する主な要因


① mTORシグナルの抑制(筋タンパク質合成の阻害)

mTOR(mammalian target of rapamycin)は、筋タンパク質合成(MPS)を促進する主要な経路であり、筋肥大の鍵となる分子である(Liu et al., 2018)。

しかし、アルコールの摂取によってmTORの活性が抑制され、筋タンパク質の合成が低下することが研究で示されている(Hong-Brown et al., 2012)。


📌 ポイント

アルコール摂取後、MPSのレベルが最大30~40%低下する(Parr et al., 2014)

特にトレーニング後の飲酒は、筋肥大の妨げになる可能性が高い



② コルチゾールの増加(筋分解の促進)

コルチゾール(ストレスホルモン)は、筋タンパク質分解(MPB)を促進するホルモンである(Wong et al., 2012)。

アルコールの摂取によって、コルチゾールの分泌が増加し、筋分解が加速することが研究で明らかになっている(Zhou et al., 2020)。


📌 ポイント

アルコール摂取後、血中コルチゾール濃度が最大152%増加する(Gleeson et al., 2008)

ストレスが高い状態+アルコールの組み合わせは、さらに筋分解を促進する



③ テストステロンの低下(筋肉の回復力低下)

テストステロン(男性ホルモン)は、筋タンパク質合成を促進し、筋肉の成長をサポートする重要なホルモンである(Herbst et al., 2004)。


しかし、アルコール摂取によってテストステロンの分泌が低下し、筋肉の回復能力が落ちることが研究で示されている(Sarkola & Eriksson, 2003)。


📌 ポイント

アルコール摂取後、テストステロンレベルが最大23%低下する(Vingren et al., 2005)

特に「大量飲酒(1日5杯以上)」で影響が顕著に表れる



3. アルコールの摂取量と筋分解の関係


アルコールが筋分解を引き起こす影響は、「摂取量」によって異なる。

摂取量(純アルコール換算)

影響

参考論文

1~2杯(約20g)

ほぼ影響なし

Parr et al., 2014

3~4杯(約40g)

軽度の筋タンパク質合成抑制

Gleeson et al., 2008

5杯以上(約60g以上)

mTOR抑制・コルチゾール増加・テストステロン低下

Sarkola & Eriksson, 2003

📌 結論

少量(1~2杯)なら筋肉への影響はほぼない

3杯以上になると、筋分解のリスクが増加する



4. アルコールと筋肉の関係:よくある疑問と対策


Q1. トレーニング後に飲酒すると筋肥大に悪影響?

YES。特に24時間以内の大量飲酒はMPSを抑制する(Parr et al., 2014)。

📌 対策

トレーニング後の飲酒は、最低でも4~6時間空ける

プロテインや食事を先に摂取し、筋合成を促す



Q2. アルコールを飲みながら筋肉を守る方法は?

ポイントは「飲む量」と「栄養の摂取」

📌 対策

1~2杯以内に抑える

タンパク質(プロテイン・肉・魚)を一緒に摂る

BCAA(分岐鎖アミノ酸)やロイシンを摂取し、筋合成をサポート(Dudgeon et al., 2016)



5. まとめ:アルコールと筋分解の関係を理解し、適切に楽しむ


📌 結論

適量(1~2杯)なら筋肉への影響は最小限

3杯以上の飲酒は、筋分解を促進しやすくなる

mTOR抑制・コルチゾール増加・テストステロン低下の影響がある

筋肉を守るには「飲むタイミング」「栄養摂取」が重要


💡 「筋トレ × お酒」は、完全にNGではない!

適切な量と対策を知ることで、トレーニングの成果を守りながら、お酒を楽しむことも可能である。🍺 「筋トレ後の乾杯」は、適量を守りながら楽しもう! 💪✨

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