筋肉痛が来ないと効果なし?知られざる筋トレのウソ・ホント
- 恋 大木
- 5月2日
- 読了時間: 3分
更新日:5月11日
筋トレをした翌日、「あれ、筋肉痛がこない…これって効果ないの?」と不安になったことはありませんか?実は「筋肉痛=効果がある」というのは、大きな誤解です。本記事では、筋肉痛のメカニズムを科学的に解説し、筋トレの効果を正しく評価する方法をお伝えします。

1. 筋肉痛の正体は何?
筋肉痛には大きく分けて2種類あります。
即発性筋痛(Acute Muscle Soreness)
トレーニング中または直後に感じる痛み。乳酸の蓄積や血流の変化が関与しているが、長く続かない。
遅発性筋肉痛(DOMS: Delayed Onset Muscle Soreness)
運動後24~72時間後に現れる筋肉痛。これは筋繊維の微細な損傷と炎症反応によるもの。
しかし、筋肉痛がない=筋肉が成長していない、というわけではない のです。

2. 筋肉痛がなくても筋トレの効果はあるのか?
結論から言うと、筋肉痛がなくても筋肥大や筋力向上は十分に起こります。 その理由を見ていきましょう。
(1) 筋肥大のメカニズム
筋肉が成長する主な要素は以下の3つです(Schoenfeld, 2010)。
機械的負荷(Mechanical Tension)
高重量のトレーニングによる筋肉への刺激。
筋損傷(Muscle Damage)
筋繊維の微細な損傷。ただし、これが過剰だと回復が遅れる。
代謝ストレス(Metabolic Stress)
乳酸などの代謝産物の蓄積が成長ホルモンの分泌を促す。
これらのうち、「筋損傷=筋肉痛」ではない ことがポイント。筋肉痛はあくまで副産物であり、成長に必須ではありません。
(2) 慣れれば筋肉痛は減る
トレーニングを継続すると、筋肉は適応し、同じ負荷では筋肉痛が起こりにくくなります。特にエキセントリック動作(筋肉を伸ばしながら力を発揮する動作)に慣れると、筋損傷が減り、筋肉痛も軽減します(McHugh, 2003)。
(3) 筋肉痛が強すぎると逆効果?
実は、過度な筋肉痛は回復を遅らせ、筋肥大を妨げることもあります。 研究では、重度の筋肉痛を伴うトレーニングはパフォーマンスを低下させ、次のトレーニングの質を下げることが示されています(Clarkson & Hubal, 2002)。
3. 筋トレの効果を測る正しい方法
では、筋肉痛に頼らずにトレーニングの効果をどう判断すればよいのでしょうか?
✅ 扱える重量が増えているか?
✅ 回数・セット数を増やせているか?
✅ 筋肉の張りや成長を感じるか?
これらの指標が改善していれば、筋肉痛がなくてもトレーニングの効果は出ている ということです。
4. じゃあ筋肉痛は意味がないの?
筋肉痛自体は筋肥大の必須条件ではありませんが、「新しい刺激を加えた結果」として参考にするのはアリです。例えば…
新しい種目を取り入れたとき
普段と違う負荷をかけたとき
エキセントリック動作を強調したとき
このような場合、筋肉痛があるのは新たな刺激が入った証拠とも言えます。ただし、「毎回筋肉痛を求める」のは逆効果になるので注意しましょう。
5. まとめ:筋肉痛にこだわらず、賢く鍛えよう
❌ 筋肉痛がない=筋トレが無駄 ではない
✅ 筋肥大のカギは「負荷」「回数」「回復」
✅ 筋肉痛よりも、成長の指標をチェックする
筋肉痛がなくても、正しいトレーニングをしていれば確実に成長しています。「痛み」よりも「進歩」に注目して、効率的にボディメイクを続けましょう!
参考文献
Schoenfeld, B. J. (2010). "The Mechanisms of Muscle Hypertrophy and Their Application to Resistance Training". Journal of Strength and Conditioning Research.
McHugh, M. P. (2003). "Recent advances in the understanding of the repeated bout effect: the protective effect against muscle damage from a single bout of eccentric exercise". Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports.
Clarkson, P. M., & Hubal, M. J. (2002). "Exercise-induced muscle damage in humans". American Journal of Physical Medicine & Rehabilitation.
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